下垂体腫瘍による頭痛

頭痛とともに、視力低下、視力障害、疲労感や体調不良あったり、体の一部が急激に変化したら、下垂体腫瘍が原因かもしれません。

体力不足の頭痛ではなかった

以前、私がアルバイトしていたときに同じ場所で働いていた人が、頭痛もちだったの。視力が低下して、いつも体がだるいって言っていた。その後突然、アルバイト先からいなくなっちゃったんだけど、数年後に偶然会って元気そうだったので聞いてみたら下垂体腫瘍だったとのこと。下垂体腫瘍とは、脳下垂体に腫瘍(通常は良性)が出来る病気です。下垂体腫瘍の初期症状を含み、頭痛が引き起こされるケースがありますが、頭痛が起こるから下垂体腫瘍というわけではありませんし、下垂体腫瘍で必ず頭痛が起こるわけではありません。

下垂体腫瘍の種類

下垂体腫瘍はホルモンを分泌する部分できるホルモン分泌性腺腫と分泌しない部分にできる非ホルモン分泌性腺腫の2種類があり、そのうちホルモン分泌性腺腫には成長ホルモン産生腺腫、副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫、プラクチン産生腺腫の3種類があります。

下垂体腫瘍の症状

非ホルモン分泌性腺腫は倦怠感とともに視力低下や視力障害を生じますが、ホルモン分泌性腺腫は目に見えて身体に異常が生じます。成長ホルモン産生腺腫は子供が発病すると巨人症、大人になってから発病すると顎、唇や手足の先だけが肥大します。副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫は手足に比べて身体だけが肥大化すます。プラクチン産生腺腫は女性に多くみられ、無月経になります。乳汁が分泌することもあります。

手術が必要か?

手術をしなければならないわけではありません。健康な方であっても脳ドックなどで偶然発見されることもあります。腫瘍が自然に小さくなることもあるので、体に異常がない場合には手術をせずにそのまま腫瘍を定期的な検査で観察していくこともあります。

先の下垂体腫瘍になった人は、腫瘍が小さくて手術で腫瘍をすべて摘出することもできたらしいのですが、手術をするリスクと手術をしなくても腫瘍が小さくなる可能性もあることから、摘出手術をせずに薬物療法と経過観察だけにしたとのことでした。数年後に会ったときに元気だったのは、原因がはっきり分かったことと、その原因となる下垂体腫瘍が小さくなって、身体への影響度が小さくなったのだと思います。

医師の診察が必要

下垂体腫瘍によって頭痛、視力障害、無月経、顔の一部(唇、顎など)が変化したり、手足の先端が肥大化する、または逆に体の中心が手足に比べて肥大化するなどの症状がありますが、下垂体腫瘍の大きさや位置により、必ずしもこれらの症状がでるわけではなく、また必ずしも手術が必要というわけでもありません。手術をせずに薬物療法や経過を様子見するだけもありますので、下垂体腫瘍の可能性が考えられる場合には、脳外科で医師の診察を受けましょう。

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頭痛分類

片頭痛

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緊張型頭痛

緊張型頭痛の症状とは?何に注意して対処したらよいのか?肩こりやめまい、片頭痛と合併しているケースもあります。ストレスを軽減しリラックスして楽になっても、その場しのぎだけでは安心できない頭痛です。

頭痛総合

何科で治療してもらえば良いのか迷いますので、症状を分類し、原因、病名、受診科などに総合的にまとめました。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など生命に危険が伴い緊急を要する頭痛から、その他疾病に起因する頭痛まで。

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