くも膜下出血による頭痛

命にかかわる怖い病気、くも膜下出血とは?激しい頭痛、後頭部の頭痛が起こるがそれ以外の症状は?くも膜下出血が起こると必ず耐えられないほど激しい頭痛がするのか?一刻を争う手術が必要なくも膜下出血について。

くも膜下出血は、頭痛以前にとても危険な病気

くも膜下出血とは脳動脈が分かれている部分に血管が風船のように膨れ上がった脳動脈瘤が破裂し出血する病気で、脳の血管障害により、突然意識を失ったり、手足がしびれたり麻痺したりする脳卒中の症状のひとつです。脳動脈とは頭蓋骨の中の、くも膜と軟膜の間を流れている動脈。くも膜下出血は中高年の突然死や過労死の原因として上位にランクすることが多いので知らない方がいないほど有名ですが、30代以下でも発症することがあります。

くも膜下出血を起こすと、突然頭にかなづちで殴られたような激しい痛みが起こるといわれていますが、これは脳動脈瘤が破裂したことで出血を起し、その出血がくも膜下の近くにある髄膜や神経へ刺激をするためです。ところが実際にくも膜下出血を経験し、命を取り留めた方の話を聞いてみると、突然頭にかなづちで殴られたような激しい痛みを、私の知り合いに関しては、全員覚えていませんでした。激しい痛みと共に意識を失ってしまったのか、激しい痛みを思い出したくないがために、そのときの記憶を失ってしまったのかは分かりませんが、私の周りではたまたま痛みを覚えていなかったのかもしれません。

ここで注意していただきたいのは、激しい頭痛を本人が覚えていなかったとしても、それ以外にも頭の痛みにまったく気がつくことがない、くも膜下出血があるという事実です。

くも膜下出血では頭痛の他に何が起こるの?

くも膜下出血を起こすと頭痛の他、嘔吐、けいれん、意識障害などを起こし、しばらくすると後頭部の頭痛や首から肩に掛けて硬直してきますが、くも膜下出血を起こしても本人に自覚がないまま突然昏倒する場合もあり、非常に危険な病気です。当然ですが、くも膜下出血による頭痛は慢性的な頭痛ではありません。早期に対応しないと命にかかわります。また命を取り留めたとしても後遺症が残る場合が多くあります。

くも膜下出血の手術は

手術としては頭の頭蓋骨を一部切除し、直接脳動脈の出血部にクリッピングするケース(脳動脈瘤クリッピング術)、足の付け根の動脈から出血部にコイルを詰めていくケース(脳動脈瘤コイリング術)がありますが、くも膜下出血後、6時間はスグに手術ができないとか48時間以内に手術をしなければならないなど、さまざまな制限があり、いずれにしましても、くも膜下出血が起こったら、頭を動かさずに安静にし、すぐに救急車を呼び、あとは病院にお任せするしかありません。くも膜下出血による頭痛はくも膜下出血が起こったことを知らせるシグナルであり、体の異常を緊急に伝達するための身体の悲鳴シグナルに過ぎないのかもしれません。

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頭痛分類

片頭痛

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緊張型頭痛

緊張型頭痛の症状とは?何に注意して対処したらよいのか?肩こりやめまい、片頭痛と合併しているケースもあります。ストレスを軽減しリラックスして楽になっても、その場しのぎだけでは安心できない頭痛です。

頭痛総合

何科で治療してもらえば良いのか迷いますので、症状を分類し、原因、病名、受診科などに総合的にまとめました。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など生命に危険が伴い緊急を要する頭痛から、その他疾病に起因する頭痛まで。

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美由紀

  • 最近ダンスを習い始めました。まだまだ初心者レベルで、人様にお見せできるほどのレベルではございませんが。

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